宮城県仙台市にある在宅支援チームフォーレストの役員(理学療法士)がつづるブログです。
http://www.team-forest.net/

※掲載されている写真は、個人情報保護法に基づき許可を得て掲載されています。

Q&A 実調
 

Q

訪問リハを開始するにあたっての注意点を教えてほしい。私の所は、看護師の所長が実調をして開始となります。

Q

実調はどのように行っていますか? 特に注意している点は何ですか? 訪問リハビリの期間を予め具体的に決めてから実施しているのでしょうか?

 

A

研修会の時に、「セラピストが実態調査(実調)をしているか?」お聞きしましたが、半数程度の事業所がセラピストによる実調を実施していないとのことでした。実調をせずに作成されたケアプランに基づき訪問開始されている所、管理者(看護師さん)が実調をしてそれに基づき訪問開始される所が多くありました。

正直、私にとっては想定外で驚きました。

セラピストによる実調は必要不可欠だと思います。是非、徐々にでも、長く時間がかかっても良いので、セラピスト自らが実調を行うようになることをお勧めします。

 

実調とは、「評価を行って専門職としての見解や提案をお伝えした上で、ご本人やご家族、そしてケアマネさんに、今後のことを決めていただく場」だと思っています。

 

自己紹介・名刺交換から始まります。

場は、ケアマネさんが仕切って下さる場合もありますし、セラピストが仕切る場合もあります。

話の糸口は、「どのようなお気持ちや経緯から利用希望につながったのか?」「現病歴」「○○のおかげんはいかがですか?」などなど様々ですが、話をしながら評価を進めていきます。

お話により、私達に何ができそうかがある程度絞り込まれたら、身体を触らせていただいたり、動いていただいたりしていきます。評価は、治療に対する反応をみないと成立しませんので、実際にセッションも行います。

 

大事にしていることをいくつかご紹介していきたいと思います。

 

★ケアマネさんの思い、利用者の思い、家族の思いや困り事を最大限汲み取ること。

私達は、セラピーを通して依頼者(利用者や家族、ケアマネさん)のお役に立って何ぼのもの!ということを忘れてはいけないと思います。

 

★状況、見通し、方向性、必要頻度・時間・期間などの専門的判断をしっかりお伝えすること。

中には、わからない場合や、希望に叶わないことや変化を期待することが難しい場合もあると思いますが、そのような場合もしっかりお伝えします。但し、落としどころは作っていかないと混乱してしまいますが…。

 

★最終的には利用者さん自ら自己決定いただくこと。また、ケアマネさんに導いてもらうこと。

こちら側からの押し付けにならないように注意します。利用者さんやご家族、ケアマネさんの思いに働きかけていきます。

 

 

 

悩むことが多い実調ケースをご紹介したいと思います。

要支援でADLは自立しており、非活動が主因による軽度筋力低下・体力低下がみられる。徐々に低下は進んできている。通所系のサービス利用は、ご家族やケアマネさんが勧めるも拒まれている。ご本人は何もしたくないと…

 

このようなケースは、訪問リハビリで直接的な効果を期待するのは難しいと思われます。解決する為には、通所系サービスの利用、家事の実施、外出などにより活動性をあげていただく必要があります(Q&A参照(作成中))。

よって、この専門的見地をしっかりとお伝えし、効果を得る(ご希望をかなえる)ためには、何をすれば良いか一緒に考えていきます。

 

やはり通所に行かれることを専門的にお勧めするかもしれません。

 

訪問リハビリで効果を期待するならば…

ホームプログラムを実施しようというお気持ちを引き出すことができれば、ホームプログラムの作成及び指導、そして定着を図るために、およそ3ヶ月程度の期間を定めての訪問リハビリを提案することもあります。

 

訪問介護さんとの買い物や外出、家事などの家庭内の役割が引き出せればバンバンザイです(Q&A参照(作成中))。無料相談訪問でフォローする提案を行うこともあります。

 

通所もダメ、活動性向上の方向性もみえず、ご本人のお気持ちを引き出せなかった場合は、とても困ります。お気持ちを引き出す可能性を模索するために、3ヶ月程度の期限を区切った訪問も必要かもしれません。訪問リハビリをお受けすることができない選択肢も含め、本当に悩みます。


Posted by : forest-hokke | Q&A | 20:57 | comments(0) | trackbacks(0)| - |
Q&A 車椅子への離床
 

Q

病院や施設に比べ、離床や立位・歩行をすすめる際の判断が難しい(院内では複数で協力したり相談しやすい)。無理をしないでおこう…となることもある。中止またはすすめる際の判断基準を教えてほしい。

 

A

車椅子への離床を目指す臨床をご紹介していきたいと思います。

 

坐位耐性及びリスク管理については、http://forest-hokke.jugem.jp/?eid=62 をご覧ください。

 

まずは、車椅子を選択します。

次のような場合には、リクライニング車椅子が第一選択となると思います。

.悒奪疋灰鵐肇蹇璽襪任ない場合 ∈前迷兩の安定度に不安がある場合 8坿慇瓩篝埣譴硫墜粟が坐位に耐えられない場合などです。

 

移乗は、水平近くまでリクライニングできる車椅子(フルリクライニング式)を用意して、臥位のまま側方移動させる方法(写真1)を用いることもあります。http://www.team-forest.net/o_manual/?p=71 で紹介していますので参考にして下さい。

 
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(写真2)リクライニング車椅子のポジショニングを訪問介護さん宛に申し送りをしたものです




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(写真3)
ALSの方で、人工呼吸器をつけてから初めて車椅子で外に出た時の写真です。http://forest-hokke.jugem.jp/?eid=56

 

 

Posted by : forest-hokke | Q&A | 10:58 | comments(0) | trackbacks(0)| - |
Q&A 坐位耐性訓練

Q

病院や施設に比べ、離床や立位・歩行をすすめる際の判断が難しい(院内では複数で協力したり相談しやすい)。無理をしないでおこう…となることもある。中止またはすすめる際の判断基準を教えてほしい。

 

A

離床に向けて端坐位を目指す臨床をご紹介していきたいと思います。

 

まずは、端坐位にすることでどんなリスクがあり得るのか考えます。

循環器系に与える影響

臥床状態が続いた利用者さんは、臥床状態に適応した循環機能になっています。それなりの心機能、それなりの血液量に低下しています。

ヘッドアップやレッグダウンするにあたり、血液は重量に応じて下方で滞留します。これに抗するために、心臓は頑張って心拍を増やし、心拍出量を増やし、血圧を保ち全身に血液を送ろうとします。これが追いつかなくなった場合に最も影響を受けるのが脳血流量です。脳血流量は、脳循環自動調節能(Autoregulation)によって血圧変動によらず一定に保たれます。しかし、これも廃用や陳旧性疾患により機能不全(調節範囲の狭小や偏位)になっている可能性があります。

まとめると、「臥床状態が続いた利用者さんは、心機能の低下や血液量の低下により坐位耐性が低下しており、更に血圧の変動によって脳血流が変化しリスクを起こしやすくなっている状態」となります。

 骨格器系に与える影響

股関節や脊柱の可動性が坐位に耐えられるか、また、骨粗鬆化している脊柱が重力や姿勢変化に耐えられるか考える必要があります。

 

訪問リハビリでは、坐位耐性の低下を改善するために、坐位耐性訓練を行います。

訪問リハビリの時に、坐位耐性をチェックしつつ耐性向上を図り、訪問リハビリ以外の時にも坐位耐性向上を考慮した活動性向上(例えばギャッジアップをお願いするなど)を模索します。

私はより安全な順序だてた方法として、下記の方法で端坐位にもっていっています。

(1)まず側臥位にします。(2)電動で45度程度まで上体を上げます。(3)落ついたら足を降ろします(写真)。(4)落ちついたら更に上体を上げます。(5)落ちついたら端坐位にします(写真)。

(2)〜(5)の各段階で坐位耐性のチェックを、脈拍と血圧の変動、及び自覚・他覚症状で行います。中止基準は、脳血管疾患急性期ではもはや一般化されている坐位耐性訓練の中止基準を準用します。脳血管疾患を発症すると脳循環自動調節能が一定期間障害されます。例えば脳主幹動脈領域の脳梗塞では30〜40日間程度障害されているとされています。そのため急性期においてはしっかりとした管理の下で坐位耐性訓練が行われます。坐位耐性訓練の中止基準は、「血圧の低下が30 mmHg以上、脈拍の増加が30%以上、あるいは120/分以上」です。なお、Shy-Drager症候群を主として変性疾患の中には、心機能や血液量ではない自律神経系の影響で血圧が下がりやすいものもありますので、そのようなものは数字にこだわりすぎず自覚・他覚症状を重視していく必要があります。
これらの方法を用いれば、順序だててゆっくり行うことができますし、何かあってもすぐに戻し対応することができます。ハイリスクな急性期で用いている基準を準用しているという安心感、根拠を得て臨床に望むことができます。

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Posted by : forest-hokke | Q&A | 00:03 | comments(0) | trackbacks(0)| - |
ご質問を募集しています

2013.2.3 宮城県訪問リハビリテーション研修会で講師をさせていただきました。
今回は、事前にグループワークを行っていただき、その発表内容を受けてお話させていただく、また、参加者の方々に「聞きたい内容」をアンケートでお答えいただきそれに答える形でお話させていただきました。
皆さんから、多く質問をいただきありがとうございました。
皆さん真剣に一生懸命取り組んでおられ、いっぱい悩みを抱えていらっしゃることを肌で感じました。
にもかかわらず言い訳ですが・・・ 前日にアンケート結果をいただきましたので、突貫工事の内容やスライドでしたし、時間が押してしまい十分にお伝えできず、反省しております。
そこで、Q&Aコーナーを作って、正誤は別にして、小生が日頃どんなことを考えながら、どんな感じで訪問しているかをご紹介していきたいと思います。
小生のAが決して正答ではありません。小生も悩みつつ試行錯誤しながら訪問しています。
皆さんとQ&Aを通して情報交換できる場になれば幸いです。

この記事にコメント(↓下にあるcommentsを押して下さい)するという形、
または「kenkenke11アットマークyahoo.co.jp」にメールをください。
当然、匿名で結構ですし、どんな内容でも結構です。
お待ちしております。宜しくお願いいたします!!

Posted by : forest-hokke | Q&A | 11:56 | comments(4) | trackbacks(0)| - |
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